数字から文章題へ:外国につながる幼児期の子どもが算数の文章題でつまずかないための支援


学校での学びにおいて,外国につながる子どもは、算数の文章題で課題に直面することがあります。計算それ自体は得意でも、文章に読み,書かれている内容を理解して式を立てるプロセスに困難を感じることがあります。この状況において,教育的な支援が必要になります。

一般的に、4〜6歳頃から文字の認識が始まります。英語と日本語のバイリンガル環境では、ひらがな、カタカナ、アルファベットを学ぶことになります。ひらがなとカタカナはそれぞれ46文字、アルファベットは26文字あります。さらに、ひらがなとカタカナには濁音(20音)、半濁音(5音)、拗音(21音)があり、フォニックス教育方法によれば、アルファベットには単母音、二重母音、子音を含む約44種類の音が存在します。これらの文字を視覚的に認識し,文法を理解して,さらには書くことができるようになるには,時間がかかります。

海外ルーツの子どもの中には、数字に興味を持つ傾向があります。文字とは異なり、数字は1から9までの組み合わせで構成され、計算には「+」や「ー」などの記号に出会います。これらの子どもにとって、数字や計算の方が負担が少なく、取り組みやすいと感じるかもしれません。しかし、小学校が始まると、算数の文章題に直面することになります。

多くの海外ルーツの子どもたちが、算数の文章題でつまずくことが見られます。計算はできるものの、文章題に苦手意識を持ってしまうのです。算数の文章題が苦手である理由を詳しく見てみましょう。

① 文章が難しくて読めない、理解できない。

② 文章が長すぎて最後まで読めない。

③ 文章を音としては読めるが、定式化できない。問われていることがわからない。

④ 文章から情報を論理的に整理できていない。

  

①や②の場合、日本語の学習支援が必要かもしれません。また、文章題を読み聞かせることも有効です。保護者が問題文を読んで、内容を咀嚼して単純化し、式を立てることを支援します。

   

③や④の場合、具体物を使うのが有効です。おはじきや人形のフィギュアなどを使うことが効果的かもしれません。特に「顔」があるフィギュアや、好きなお菓子、家族で仲良く分ける果物のぶどうなどが良いでしょう。日常生活や遊びの延長線上で教育の場面に置き換えることを 考えてみてください。

   

ワークブックやドリルでの紙上のやり取りは、実感が欠け,イメージがわきにくいものです。手を使って、「何をしているのか(例えば、AさんとBさんのアメは合わせて何個?)」という活動を通じて、問われていることが理解できるようになります。

   

サポートが必要であれば、または家庭での勉強を見てほしい場合は、CCKアカデミーまでご連絡ください。